ある日喜八が、集金のため弥七のところに訪れていた。
喜八「今、領収書を切るから待ってくれ」
弥七「ところで喜八、最近伝票に挟む黒い紙って見なくなったな」
喜八「ああ、カーボン紙のことだな。今は『ノーカーボン紙』てのがあるから、使うことが少なくなったな」
弥七「なんだい、そいつは?」
喜八「カーボン紙を挟み込まなくても複写ができる用紙さ」
弥七「どういうカラクリだい?」
喜八「まず、用紙の裏面に粒子状のカプセルみたいなものに入った無色のインキが、表面にはそのインキに反応して色が変わる薬品が塗られている。それを重ねてペンで書くと、筆圧がかかったところのカプセルが割れて、下の用紙に色が出るってわけさ」
弥七「へー、便利なもんだな」
喜八「あと『減感』ってのもできるぜ」
弥七「建物の入り口の…」
喜八「そりゃ“玄関 ! 伝票で使うのは“減感 だ。一部分だけ複写されないようにする加工さ」
弥七「そりゃ、どうやんだい?」
喜八「複写させない部分にこれまた特殊な薬品を塗って、色が変わる反応を無効化するんだ」
弥七「そういや領収書はまだかい?」
喜八「おいおい、突然話を断ち“切って領収書を“切ってくれだなんて…挟むのは口じゃあなくて、カーボン紙だけにしてくれよ」
どうもお後がよろしいようで…。
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