■近年の印刷市場
安価なネット印刷の台頭や、家庭用プリンターの進歩が目覚ましいのは今に始まったことではありません。
1990年に約9兆円あった印刷市場は、部数削減、Webへの移行に伴う紙離れ等の要因により、2015年には約5.5兆円に縮小し、今後も縮小し続けることが予想されています。今後、印刷業で売上を伸ばしていくには多くの障壁があり、業界全体の課題です。
■利益確保の手段
売上が伸び悩むなかで利益を確保するにはどうすればいいでしょう。地域の印刷会社が採れる対策は限られています。売上を伸ばせずとも、固定費を節減すれば利益幅は確保できます。
一番てっとり早く節減できる固定費といえば人件費。しかし、給与や賞与を減らして会社の利益幅を増やすことは、「会社の永続的発達と社員の物心両面の幸福を追求」する弊社の経営理念とは一致しません。そこで導き出されたのが、「付加価値最大化による利益確保」でした。
■付加価値最大化
総売上から変動費(原材料費等)を差し引いたものが、
社員のみなさんが汗水垂らして新しく生み出した価値
(=付加価値)です。この付加価値から固定費を差し引き、
残ったものが会社の利益になります。
つまり、付加価値を最大化して固定費を上回れば、利益が
出て会社は黒字になるということです。
弊社ではこのことを全社員の共通認識とし、さらに付加価値
を圧迫するミス・ロス削減を徹底することで、売上を大きく
伸ばせずとも人件費維持と利益確保を両立できるよう努めて
います。
■付加価値の見える化
毎日の売上高・変動費・付加価値・固定費・残業費・利益額を「見える化」し、
利益目標と現状の差異を全社員に紙やメールにおいて周知しています。
目標に対する現状を全社員が意識することで、日々の行動は変わっていきます。
また、利益目標を達成すれば余剰利益を従業員に還元する仕組みもあります。
日々の行動が変わるのは、このあたりにポイントがあるのかもしれません(笑)
では付加価値を最大化するために具体的に何をしているのか?
それについては、標準原価と実際原価の算出という仕組みに触れながら、
またの機会にご紹介いたします。
「風流印字」 第4号
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・特集:付加価値見える化
・わいわい探検隊:わいんスタジオ609
・印刷七転び八起き:紙の厚さ
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